
防災備蓄シリーズの14本目は、「子どもの防災」です。家族の備蓄は「人数×日数」で計算してきましたが、子どもには大人とは違う3つの事情があります。「食べ慣れたもの」でないと食べないこと、成長ですぐサイズが合わなくなること、そして平日は学校にいることです。
首相官邸の災害チェックリストにも「こどものための備え」という独立した欄があります。この記事では、子ども用備蓄の中身と、学校で被災したときの引き渡しの備えを整理しました。
結論:子どもの備えは「その子の仕様」で作る
- 量の基本は家族分と同じ(水・食料は1人分として計算)。ただし中身は食べ慣れたもの、好きなものを優先。非常食が食べられない子どもは珍しくありません
- 子ども専用の項目があります:粉ミルク・液体ミルク、離乳食、紙オムツ、アレルギー対応食、常備薬、着替え、安心グッズ(ぬいぐるみ・絵本など)
- 子どもの持ち出し袋の重さの目安は約6キロまで(政府広報オンライン)。本人と一緒に詰めるのが、備えを「自分のもの」にするコツです
- 学校の引き渡しは登録した引き取り者にだけ行われます(文部科学省の学校防災マニュアル)。代理の人の登録と、引き渡しカードの控えの保管が、親の備えです
子ども用備蓄のチェックリスト

食べもの・飲みもの
普段食べているお菓子やゼリー、好きな飲み物を多めに。政府広報オンラインも、子どもが日頃から好きな食品や飲み物を備えておくと、災害時でもリラックスできると案内しています。アレルギー対応食や療法食は、配給では手に入りにくいので家庭での確保が必須です。乳幼児がいる家は、粉ミルクや液体ミルク、離乳食、調乳用の水を多めに(農林水産省)。
衛生と着替え
紙オムツ、お尻ふき、着替え一式、子どもの靴。着替えと靴は今のサイズで用意し、点検のたびにサイズを確認します。成長の早い時期は、半年で合わなくなることもあります。
安心グッズ
いつものぬいぐるみ、絵本、ゲーム、家族の写真。避難生活で子どもの心を落ち着かせるためのもので、軽く小さいものなら持ち出し袋にも入ります。「役に立つか」ではなく「その子が安心するか」で選ぶ項目です。
連絡と身元
家族の連絡先カード(名前、親の電話番号、血液型、アレルギー、かかりつけ医)を、袋とランドセルの両方に。子ども自身が、家の電話番号と「171」の使い方を言えるようにしておくと、はぐれたときの手がかりが増えます。
子ども専用の持ち出し袋を作る

大人用の袋の「小さくしたもの」ではなく、子どもが自分で背負える専用の袋を用意します。中身は、500ミリリットルの水、好きなおやつ、ライト、ホイッスル、着替え、安心グッズ、連絡先カード。重さは約6キロが上限の目安です。
大事なのは、詰める作業を子どもと一緒にやることです。中身を知っている袋は、避難のときの不安を減らします。「これは何のため?」という会話そのものが、防災教育になります。
学校で被災したら:引き渡しの備え

- 大きな地震では、子どもは保護者が迎えに来るまで学校で待機が基本。学校の備蓄には限りがあり、長時間の待機もありえます
- 引き渡しは、事前に登録した「引き取り者」にだけ行われ、登録にない人には引き渡されません。親が来られない場合の代理の人を、必ず登録しておくこと
- 引き渡しカードの控えや身分証が必要な学校もあります。控えは財布など、普段持ち歩く場所に
- 学校からの連絡手段(メール配信など)と、迎えに行く順路・集合場所を、家族で一度確認しておく
防災頭巾は、学校保管のものが多いですが、教室の備えは学校ごとに違います。年度初めの書類と一緒に、学校の防災の決まりを確認するのが確実です。
子どもの備えは3タイプ
タイプ1:子ども用防災セット型
子どもサイズのリュックに、ライトやレインコート、簡易トイレなどが入ったセット。4,000〜8,000円ほど。ここへ、その子の好きなおやつと安心グッズを足して「専用仕様」に仕上げます。
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タイプ2:子どもが食べる非常食・おやつ型
長期保存のお菓子、ゼリー飲料、食べ慣れた味のレトルトなどを箱で備えます。3,000〜6,000円ほど。非常食の試食を兼ねて、家庭の備蓄から定期的に食べる運用にすると、「いざというときに食べない」を防げます。
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タイプ3:頭を守る・知らせる型
防災頭巾や子ども用ヘルメット、ホイッスル、ネックライト。2,000〜5,000円ほど。学校に頭巾がない場合や、自宅・学童での備えに。ホイッスルは「閉じ込められたとき自分の居場所を知らせる」道具として、使い方まで教えておきます。
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- 着替えと靴は「今のサイズ」か。点検日を決めて、サイズアウト前に交換できるか
- 非常食は、その子が実際に食べられる味か(試食したか)
- アレルギー・常備薬の情報は、連絡先カードと袋の両方に入っているか
- 学校の引き取り者登録に、代理の人が入っているか
- 子ども本人が、袋の中身とホイッスルの意味を知っているか
まとめ
- 子ども分も1人分として計算。ただし中身は「食べ慣れたもの・好きなもの」を優先
- 専用項目:ミルク・離乳食、アレルギー対応、着替え(今のサイズ)、安心グッズ
- 子どもの持ち出し袋は約6キロまで。本人と一緒に詰める
- 学校の引き渡しは登録者だけ。代理の登録と控えの保管が親の備え
この記事は「家と家族を守る」防災備蓄シリーズの14本目です。あわせてどうぞ。
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