
年末年始は、帰省や旅行で家を長く空ける家庭が一気に増える季節です。各地の警察も、毎年この時期に空き巣への注意を呼びかけています。実家の備えを点検する記事850が「帰る先」の話なら、この記事は「空ける側」の家の防犯です。
大事なのは、空き巣の目線を知ることです。空き巣はまず「この家は留守か」を見て、次に「入るのに時間がかかるか」を測ります。つまり対策は2つだけ。留守を悟らせないことと、入りにくい家にすることです。
結論:狙われるのは「留守が外から分かる家」
- 侵入口は「窓」と「表出入口」で7割以上(警察庁、2024年)。守る場所はこの2か所に絞れます
- 侵入の手段で多いのは「無締り」(鍵のかけ忘れ)と「ガラス破り」。まず施錠の徹底、それから窓の強化です
- 郵便受けに郵便物がたまった家は「留守です」と看板を出しているのと同じ。郵便局の「不在届」で最長30日、局で預かってもらえます
- 合鍵を郵便受けや植木鉢の下に隠すのは、侵入者には見抜かれています。家の外には絶対に置かない

空き巣はどこから、どうやって入るのか

警察庁のデータ(2024年)では、一戸建てでもマンションでも、侵入口は「窓」と「表出入口(玄関)」で全体の7割以上を占めます。逆に言えば、この2か所を固めれば、リスクの大半は下げられます。
手段で最も多いとされるのが「無締り」、つまり鍵のかけ忘れです。ゴミ出しの数分、2階の窓、トイレや浴室の小窓。「少しの間だから」「この窓は大丈夫」という油断が、そのまま入口になります。次に多いのが「ガラス破り」で、窓ガラスを割ったりこじ開けたりしてクレセント錠を開ける手口です。だから窓には、施錠に加えて「割れにくく・開けにくく」する工夫が効きます。
そして意外と知られていないのが「合鍵」です。郵便受けの中、植木鉢の下、ガスメーターの裏。隠したつもりの場所は、侵入者にとっての定番チェックポイントです(政府広報オンライン)。留守のときほど、合鍵は家の中へ。
工夫1:留守を悟らせない

- 郵便局に「不在届」を出す:不在の期間(最長30日)に届く郵便物は、すべて郵便局で預かってもらえ、期間が終わったらまとめて配達されます。提出は配達担当の郵便局か最寄りの郵便局の窓口へ、本人確認書類を持って。年賀状の季節こそ、郵便受けを空っぽに保つ価値があります
- 新聞は販売店に停止の連絡:朝刊が数日分たまった玄関先は、留守のサインそのものです。電話一本で止められます
- 夜の照明をタイマーで点ける:タイマーコンセント(1,000円前後から)に室内照明やテレビをつなぎ、夕方から夜だけ点灯させると「人の気配」が出ます。玄関灯を点けっぱなしにするのも有効です
- SNSへの投稿は帰宅してから:「いま実家に帰省中!」の投稿は、留守の宣言です。旅行の写真は、帰ってからゆっくりどうぞ
- 近所と親族に声かけ:「○日から○日まで留守にします」と一言伝えておくと、不審な人物や音に気づいてもらえます。自治体が呼びかける防犯の「3かけ」(鍵かけ・声かけ・心がけ)のひとつです
工夫2:入りにくい家にする(窓と玄関)
- 施錠は全部の窓とドア:玄関、勝手口、1階と2階の窓、トイレ・浴室の小窓まで。出発前に家族で声を出し合って確認するのが確実です
- 玄関はツーロック:鍵が2つあるだけで、侵入にかかる時間が延びます
- 窓には補助錠と、できれば防犯フィルム:補助錠は「もうひとつの鍵」としてガラス破り対策の定番。雨戸やシャッターがあれば、留守中は閉めておきます(警察庁「住まいる防犯110番」)
- 庭木の剪定で見通しをよく:窓や玄関が道路から見えにくい家は、作業中の姿を隠してしまいます。生け垣や植木は低めに保つのも防犯です
- 家の中に多額の現金を置かない:貴重品は分散して保管し、通帳と印鑑は別々に
それでも心配なら、道具の力
タイプ1:見守りカメラ
スマホから家の中や玄関先を確認できるネットワークカメラです。5,000〜1万円ほど。動きを検知して通知が来る機種なら、帰省先からでも様子が分かります。「映っている」こと自体が抑止力にもなります。
Powered by Rakuten Developers
タイプ2:センサーライト
人が近づくと自動で点灯する屋外ライトです。2,000〜5,000円ほど。ソーラータイプなら配線工事なしで玄関や勝手口、駐車場に付けられます。夜の不意打ちの明かりは、侵入者が最も嫌うもののひとつです。
Powered by Rakuten Developers
タイプ3:窓の補助錠
サッシに付ける、もうひとつの鍵です。1,000〜2,000円ほどで、工具なしで取り付けられるタイプが主流。ガラスを割られても錠が2つあると開けるのに時間がかかり、途中で諦めさせる効果があります。窓の数だけそろえるのが基本です。
なお、帰宅したときに鍵の破損や不審な印など侵入の形跡を見つけたら、家に入らず、その場で警察に連絡してください。証拠を残すことが先です。
まとめ
- 対策は2つだけ。「留守を悟らせない」と「入りにくい家にする」
- 侵入口は窓と表出入口で7割以上(警察庁)。守る場所は絞れる
- 手段は無締りとガラス破りが中心。施錠の徹底が第一歩
- 郵便局の不在届で最長30日、郵便物を局で預かってもらえる
- 新聞の停止、照明タイマー、SNSは帰宅後。この3つで「留守のサイン」を消す
- 合鍵は家の外に置かない。窓の補助錠で「時間のかかる家」に
あわせてどうぞ。