
カセットコンロは家にあるんです。でも、ボンベって何本あれば足りるんですか?非常食を温めるのに、3本くらいじゃ足りない気がして……。
防災備蓄シリーズの4本目は「熱源」です。前回の非常食は、その多くが「温める」ことで本領を発揮します。ところが熱源の備蓄は、コンロ本体を持っている安心感の陰で、ボンベの本数まで考えていない人がほとんどです。
カセットボンベの必要本数にも、国のガイドと業界団体が示す公的な目安があります。この記事では、人数別の必要本数を表にまとめ、コンロ本体・ボンベ・発熱剤の3つの備え方と、安全に使うための注意点まで整理しました。
結論:カセットボンベは1人1週間で約6本
▶ ここがポイント
- 目安は1人・1週間あたりカセットボンベ約6本(農林水産省の食品ストックガイド/日本ガス石油機器工業会)
- 最低ラインの3日分なら、1人あたり約3本が目安
- 使用期限の目安はボンベが製造後約7年、コンロ本体が製造後約10年
- 保管は40℃以下で、キャップをして、直射日光と車内を避ける
1週間で6本ということは、1日あたり1本弱。「温める・お湯を沸かす」を1日3食分まかなうと、それくらい消費するという計算です。3本パック1つでは、1人でも3日と持ちません。
家族の人数別・カセットボンベの必要本数

| 家族の人数 | 最低ライン(3日分) | 推奨(1週間分) |
|---|---|---|
| 1人 | 約3本 | 約6本 |
| 2人 | 約6本 | 約12本 |
| 3人 | 約9本 | 約18本 |
| 4人 | 約12本 | 約24本 |
たとえば4人家族なら、推奨ラインは24本。3本パックで8パック分です。「そんなに?」と思う本数ですが、逆に言えば、この本数があれば1週間、温かい食事とお湯が確保できるということです。お湯を沸かす回数が多い家庭(ミルク作り、湯たんぽなど)は、少し多めに見積もってください。
熱源の備えは3タイプ

タイプ1:標準的なカセットコンロ
まずはコンロ本体です。風に強い設計のもの(風防つき)は、火力が安定してガスを無駄にしにくいのが利点です。代表的なクラスは5,000円前後。普段の鍋料理にも使えるので、「防災専用に眠らせない」備え方ができます。アウトドアでも使うなら、耐久性の高いモデル(1万円前後〜)も候補です。
Powered by Rakuten Developers
タイプ2:ボンベのまとめ買い
備蓄の主役は、実はコンロではなくボンベです。3本パックでおよそ900〜1,500円、24本セットならおよそ6,400円が相場の目安(2026年11月時点・店舗により差があります)。人数分の本数を、まずはここで確保します。メーカー純正のボンベは、コンロとの適合がはっきりしていて安心です。
Powered by Rakuten Developers
タイプ3:火を使わない発熱剤
水を注ぐだけで食品を温められる発熱剤(加熱袋と発熱材のセット)もあります。1回分あたりは割高ですが、火が使えない場所や、火の扱いに不安がある場面の「保険」として数回分あると安心です。コンロと発熱剤、両方あるのが理想の形です。
Powered by Rakuten Developers
失敗しない選び方・備え方5つ
1. コンロは「風に強い」ものを選ぶ
風で火が流されると、温まるまでに余計なガスを消費します。風防や耐風バーナーのあるモデルは、結果的にボンベの節約にもなります。
2. コンロ指定のボンベを使う
ボンベは、使うコンロに指定されたものを使います。安さだけでメーカー違いを混ぜないのが安全の基本です。
3. 期限を管理する(ボンベ約7年・コンロ約10年)
ボンベは製造後約7年、コンロ本体は製造後約10年が買い替え・使い切りの目安です。ボンベの製造年月日は缶の底に表示されています。買った年をマジックで缶に書いておくと、管理がぐっと楽になります。
4. 保管は40℃以下・キャップつき・コンロと同じ場所
保管場所は、直射日光が当たらず40℃以下になる室内で、必ずキャップを付け、コンロから外した状態で。夏の車内は絶対に避けてください。農林水産省のガイドでも、コンロとボンベを同じ場所に収納することが勧められています。いざという時に探し回らないためです。
5. 普段の鍋で使って回す(ローリングストック)
ボンベも食品と同じくローリングストックが効きます。冬の鍋で古いものから使い、使った分を買い足す。非常食や水と違い、日常で消費しやすいのがボンベの強みです。
安全に使うための注意

⚠ 使用時の注意
- コンロを覆うような大きな鍋や鉄板は使わない(ボンベが熱を持ち危険です)
- コンロを2台並べて使わない
- 換気の悪い場所・テント内・車内では使わない(一酸化炭素中毒のおそれがあります)
- サビや変形のあるボンベ、製造年月の分からない古いボンベは使わない
温かい食事は、災害時の大きな支えになります。だからこそ、熱源は「安全に使える本数と状態」で備えることが大切です。
使い終わったボンベの処分
✓ 処分のチェックリスト
- 中身を使い切ってから捨てる(振って音がしないか確認する)
- ガスが残っている場合は、屋外でガス抜きをする
- 廃棄方法は、お住まいの自治体のルールに従う
- 分からないときは、メーカーや日本ガス石油機器工業会の相談窓口に確認する
費用の目安:4人家族・1週間分で約1.1万円
4人家族の推奨ラインで見積もると、コンロ本体が約5,000円、ボンベ24本が約6,400円で、合わせておよそ1万1千円です。すでにコンロがある家なら、ボンベ代だけですみます。水・食料・トイレと比べると、熱源は一度そろえれば日常でも使える分、費用対効果の高い備えです。
まとめ
- カセットボンベは1人1週間で約6本/3日分なら約3本
- 期限の目安はボンベ約7年・コンロ約10年、缶底の日付で確認
- 保管は40℃以下、キャップつき、コンロと同じ場所に
- 普段の鍋で使うローリングストックが一番無理がない
この記事は「家と家族を守る」防災備蓄シリーズの4本目です。あわせてどうぞ。
次は、停電した夜をどう乗り切るか――照明と電源の備えを調べる予定です。
農林水産省
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会
独立行政法人 国民生活センター