
防災備蓄シリーズの11本目は、「車」がテーマです。家の備蓄はそろえてきましたが、災害や大雪はいつも家にいるときに起きるとは限りません。通行止めや避難で、車の中で一晩を過ごすことになる場合があります。
JAFも「道路の通行止めなどで1〜2日間の車内での一時的な避難」を想定して、飲料・食料・防寒具・携帯トイレを車に常備するよう案内しています。車の備えは、家の7日分とは別に「1泊分」で数えるのがコツです。
結論:車の備えは「1泊分」と「ガソリン半分」
- 車に積む目安は1泊分:水1人2リットル、食料1人3食分、簡易トイレ1人5回分が最小ライン
- ガソリンは燃料計が半分になったら給油する習慣を(「満タン&灯油プラス1缶運動」の目安)
- 車中泊の暖房をエンジンに頼るのは危険。一晩のアイドリングで約6〜7リットルを消費し、一酸化炭素中毒の恐れも。毛布・寝袋・カイロで暖を取るのが基本です
- 車内は夏は高温、冬は冷蔵庫。食料は長期保存タイプを選び、季節ごとに点検・入れ替えを
車に積む「1泊分」の内訳

| 項目 | 目安(1人・1泊分) | 備考 |
|---|---|---|
| 水 | 2リットル | 飲料用。脱水はエコノミークラス症候群の原因にもなります |
| 食料 | 3食分 | そのまま食べられるもの。長期保存タイプを |
| 簡易トイレ | 5回分 | 渋滞・通行止めでは近くにトイレがあるとは限りません |
| 防寒 | 毛布か寝袋+カイロ数枚 | エンジンは止めて暖を取る前提で |
| 明かり・充電 | 懐中電灯+モバイルバッテリー | 車のバッテリー上がり防止にも、エンジン停止中は車載充電に頼らない |
| 情報 | 携帯ラジオ(手回し充電式など) | スマホの電池を情報収集のために温存 |
家族分は人数を掛けるだけです。箱ひとつにまとめると、積み下ろしも点検も楽になります。これに、常備薬、ウェットティッシュ、軍手、タオル、着替え少しを足せば十分です。
ガソリンは「半分」が合図

燃料の備えは習慣です。石油業界と行政が進める「満タン&灯油プラス1缶運動」では、燃料メーターが半分程度になったら早めに給油することが呼びかけられています。被災地の調査では、災害時に燃料の入手に困った人が約65%にのぼったそうです。
では、満タンのガソリンで車中泊の暖房はどれだけ持つのか。アイドリングの燃料消費は10分で約130cc(JAF)、つまり1時間で約0.8リットル、エアコンを使うと約2倍です。一晩8時間かけっぱなしにすれば、約6〜13リットルが消えます。それでも、就寝中の一酸化炭素中毒の危険を考えれば、エンジンに頼るのは最後の手段です。
- 一酸化炭素中毒:雪でマフラーが埋まった状態や狭い場所でエンジンをかけ続けると、排ガスが車内に入り込み、命に関わります。就寝中のかけっぱなしは避け、やむを得ず使うときはマフラー周辺の除雪と換気を。車内でのカセットコンロ使用も同じ理由で基本的に避けてください(JAF)
- エコノミークラス症候群:狭い座席で同じ姿勢が続くと、足の血栓が肺に詰まる危険があります。1時間に一度は足を動かし、こまめに水分補給を。眠るときは足を少し高く、着圧ソックスも有効です(JAF)

車の備えは3タイプ
タイプ1:車載防災セット型
水・食料・トイレ・ライトなどがケースにまとまったセット。5,000〜10,000円ほどが中心で、箱ひとつで「1泊分」の土台ができます。足りない防寒だけ家の寝袋や毛布を足す使い方もできます。
Powered by Rakuten Developers
タイプ2:ジャンプスターター型
冬のバッテリー上がりは、立ち往生の入口です。ジャンプスターターは救援を待たずにエンジンを再始動でき、モバイルバッテリーとしてスマホ充電も兼ねる製品が多いのが利点です。5,000〜12,000円ほど。緊急脱出ハンマー(シートベルトカッター付き、1,000〜2,000円ほど)と合わせて、運転席の手の届く場所に。
Powered by Rakuten Developers
タイプ3:車中泊快適型
段差を埋めるエアマット、目隠しのサンシェードやカーテン、毛布・寝袋のセット。マットは3,000〜8,000円ほど。平らに眠れることは、エコノミークラス症候群の予防にもつながります。レジャー用の車中泊グッズが、そのまま災害時の備えになります。
Powered by Rakuten Developers
- 水と食料は長期保存タイプか。車内常備は期限を短めに見て、季節ごとに入れ替えできるか
- ジャンプスターターは自分の車の排気量に対応しているか
- エアマットは自分の車の荷室・座席のサイズに合うか
- 非常用ハンマーは運転席から手の届く場所に置けるか
- 積む場所は荷室にまとめ、走行中に荷崩れしないか
まとめ
- 車の備蓄は1泊分:水2リットル・食料3食・トイレ5回分(1人分)
- ガソリンは半分になったら給油。災害時は約65%の人が燃料入手に困った
- 車中泊の暖房はエンジンではなく毛布・寝袋・カイロで。一酸化炭素中毒に注意
- 1時間に一度は足を動かし、水分補給。エコノミークラス症候群を防ぐ
この記事は「家と家族を守る」防災備蓄シリーズの11本目です。あわせてどうぞ。
- ペットの防災は何をそろえる?フードと水の計算と、同行避難の準備リスト
- 防災備蓄チェックリスト|8つの数字で分かる、我が家のそろえ方
- 非常用持ち出し袋の中身は?重さの目安と、家の備蓄から厳選する詰め方
- 冬の停電に備える防寒グッズ|カイロは何枚必要?寝るときの寒さ対策と選び方
- ポータブル電源は何Wh必要?停電で冷蔵庫は何時間動くか計算して選ぶ方法
- 停電対策グッズは何をそろえるべき?明かり・充電・情報の3つと失敗しない選び方
- カセットボンベは何本備えるべき?家族の人数別・必要本数と失敗しない選び方
- 非常食は何日分備えるべき?家族の人数別・必要量と失敗しない選び方
- 備蓄水は何リットル必要?家族の人数別・必要量と失敗しない選び方
- 簡易トイレは何回分備えるべき?家族の人数別・必要回数と失敗しない選び方