
防災備蓄シリーズの10本目は、新しい枝「ペット編」です。人間の分の数字は、9本の記事で計算してきました。でも、家族の一員である犬や猫の分は、まだ数えていませんでした。
ペットの備えにも、ちゃんと目安の数字があります。環境省のガイドラインをもとに、水とフードの計算から、同行避難の準備リストまでを整理しました。
結論:ペットの分も「日数」で数える
- フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上(環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」)。人間の備蓄より日数が長めなのは、ペット用の支援物資が届くまで時間がかかるためです
- 水の目安は体重1kgあたり1日約50ml。体重から我が子の量が計算できます
- 避難所にペット用の備蓄はありません。必要なものは全部、飼い主が用意するのが前提です
- 避難はペットと一緒の同行避難が原則。そのために、キャリーやケージに慣らしておくことが備えの一部です
水とフードの計算(体重から出す)

水の量は、体重1kgあたり1日約50mlが目安です。体重に掛けるだけで、1日分が出ます。
| ペット | 水(1日) | 水(7日分) |
|---|---|---|
| 小型犬(5kg) | 約250ml | 約1.75リットル(2リットル見ておくと安心) |
| 中型犬(10kg) | 約500ml | 約3.5リットル |
| 大型犬(20kg) | 約1リットル | 約7リットル |
| 猫(4kg) | 約200ml | 約1.4リットル(1.5リットル見ておくと安心) |
フードは、普段の1日量に日数を掛けるだけです。ドライフードなら、袋の給与量表示がそのまま使えます。とくに療法食やアレルギー対応フードは、災害時に手に入りにくくなるので、優先して多めに備えてください。常備薬も同じです。
水は人間の備蓄水から分けることもできますが、ペット専用に小分けしておくと、避難のときに迷いません。2本目の「備蓄水」の記事の数字に、ペットの分を少し足すイメージです。
準備リストは5カテゴリ
1. フード・水・薬
フードと水(7日分)、療法食、常備薬、折りたたみ食器。フードは普段食べているものが基本です。環境が変わると食欲が落ちやすいので、ふりかけやウェットフードなど「食べ慣れた好物」も少し入れます。
2. トイレ用品
ペットシーツ(犬なら1日2〜3枚×日数分)、猫砂と携帯トイレ、排泄物の処理袋。衛生用品は、避難所で周囲に迷惑をかけないためのものでもあります。
3. キャリー・リード・迷子対策
キャリーバッグかケージ、予備の首輪とリード、迷子札。ペットの写真と、飼い主の連絡先・マイクロチップの情報をスマホと紙の両方で。はぐれたときの「再会の手がかり」です。
4. 衛生と安心グッズ
タオル、ブランケット、ウェットティッシュ、普段使っているおもちゃや、飼い主の匂いのついた布。避難生活はペットにとっても大きなストレスで、「いつもの匂い」が落ち着きにつながります。
5. 飼い主情報
ワクチン接種の記録、かかりつけ動物病院の連絡先、持病と薬のメモ。避難所や預け先で説明する場面に備えます。
ペットの備えは3タイプ

タイプ1:ペット用防災セット型
シーツ、リード、食器、携帯トイレなどがバッグにまとまったセット。アイリスオーヤマの15点セットで3,000〜4,000円ほどが入口です。ただしフードと水は入っていない製品が多いので、そこは家の備蓄から必ず足してください。「買って終わり」ではなく「土台」として使うタイプです。
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タイプ2:フード・水のローリングストック型
特別な防災フードを買うのではなく、普段のフードを1袋多めに持ち、古いものから使う回し方です。食べ慣れたものなので食欲が落ちにくく、無駄もありません。長期保存タイプのペットフードを非常用に足す方法もあります。
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タイプ3:キャリー・ケージ型
同行避難の要は、入って移動できる入れ物です。折りたたみケージやキャリーバッグを用意し、普段から中に入る練習をしておきます。避難所でもケージがその子の「自分の部屋」になります。サイズは、中で向きを変えられる大きさが目安です。
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同行避難で知っておくこと

- 同行避難は「ペットと一緒に避難所まで移動すること」です。避難所の中で同じ部屋で過ごせるとは限らず、飼育場所は施設や自治体のルールで決まります。近くの避難所がペット可かどうか、今のうちに確認を
- 避難所にペット用の備蓄はありません。フードも水もケージも、飼い主の持参が前提です
- パニックで逃げ出す事故を防ぐため、移動中はキャリーやケージに。犬もリードは短く、放すのは厳禁です
- 動物が苦手な人やアレルギーのある人も避難所にいます。鳴き声やにおいへの配慮が、同行避難を続けるための条件です
- フードと水は7日分あるか(体重から計算したか)
- 療法食と常備薬は多めに確保できているか
- キャリーやケージに、普段から嫌がらず入れるか
- 近くの避難所のペット受け入れルールを確認したか
- 迷子札・写真・連絡先など「再会の手がかり」はそろっているか
ペット用の持ち出し袋は、人の分とは別に小さくまとめて、玄関の人のリュックの隣に置くのがおすすめです(8本目の記事の置き場所の考え方と同じです)。
まとめ
- フードと水は最低5日分、できれば7日分以上(環境省ガイドライン)
- 水は体重1kgあたり1日約50ml。フードは普段の1日量×日数で計算
- 避難所にペット用備蓄はない。キャリー・トイレ用品・薬まで飼い主が用意
- 同行避難が原則。避難所のルール確認と、ケージ慣れが事前の備え
この記事は「家と家族を守る」防災備蓄シリーズの10本目です。あわせてどうぞ。
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