タイの僧侶たちがプラスチックごみをリサイクルして法衣を制作

    全体:19月:9週:1日:0

FavoriteLoadingお気に入りに追加
Image credit:Climate Heroes

 タイのワット・チャークデーン寺院の僧侶たちが、川に捨てられたプラスチックごみを法衣へと作り変えるリサイクルプロジェクトが注目を集めている。

 寺院近くにあるチャオプラヤー川の汚染を救うため、僧侶たちが中心となり、毎月10トンのプラスチックごみを回収し、伝統的な法衣へと再生させる。

 この活動は環境保護だけでなく、地域住民の雇用創出や、僧侶たちが心を清める精神的な修行の一環としても重要な役割を果たしている。

釈迦が説いた2600年前の教えを継承

 タイの首都バンコクの南隣、サムットプラーカーン県にある仏教寺院「ワット・チャークデーン」で、高い僧位を持つタンマランカーロー師は、街にあふれるプラスチックごみを法衣へと作り変える活動に尽力している。 

 この試みは、釈迦がかつて出家した僧侶たちに説いた古い教えが原点となっている。

 釈迦は、ごみ捨て場や墓地に捨てられた古い布切れを拾い集め、それらを繋ぎ合わせて法衣を作ることを推奨した。

 タンマランカーロー師はその教えを継承し、社会問題となっているプラスチックごみをリサイクルすることで、毎月10トンもの廃棄物を法衣へと変えている。

Image credit:Climate Heroes

汚染されたチャオプラヤー川を救うための決意

 タンマランカーロー師が2005年にこの寺院に移り住んだとき、周囲の環境は劣悪な状態だった。

  寺院はバンコクの「緑の肺」と呼ばれる自然豊かなバーンカチャオ地区にあり、目の前にはタイの主要河川チャオプラヤー川が流れている。

 しかし当時は、プラスチックごみが至る所で焼却されたり、川へ直接投げ捨てられたりしていた。

 川に流出したゴミは、海洋生物の死や地下水の汚染を引き起こし、深刻な大気汚染の原因にもなっていた。

 こうした惨状を目の当たりにした師は、聖なる川を守るために、何かできることはないかと考えた。

Image credit:Climate Heroes

台湾訪問でヒントを得たゴミの再生技術

 解決のヒントは、タンマランカーロー師が2010年に訪れた台湾にあった。

  タンマランカーロー師は、リサイクル事業を学ぶために国際慈善団体である慈済基金会を訪問した。

 そこで、回収されたプラスチックから衣類やバッグが作られる様子を目にしたのである。

 この経験から、プラスチックごみから法衣を作るアイデアが生まれた。

 現在、寺院では僧侶たちが近隣から集まった膨大なプラスチックを細かく分別している。

 分別されたゴミは機械でベール状に圧縮され、提携工場で繊維へと加工される。

   最終的にその繊維が織り上げられ、伝統的なオレンジ色の布地が出来上がる。

Image credit:Climate Heroes

リサイクル法衣が地域住民の雇用を生む

 再生繊維で作られた法衣は、洗濯しやすく、しわになりにくいと僧侶たちの間で評価されている。

 この事業は環境を守るだけでなく、社会的な支援にも繋がっている。

 寺院内の裁縫センターでは、身体に障がいを持つ人々を含む30人以上の地元住民が雇用され、布地を法衣へと縫い上げる作業に従事している。

 最初の活動は小さなものだったが、ペットボトルなどのプラスチックごみを法衣に変えるプロジェクトが注目されると、全国から毎日ゴミが届くようになった。

  現在では毎月10トンに達するpペットボトルが、ボランティアの手で分別され、新たな製品へと生まれ変わっている。

Image credit:Climate Heroes

リサイクル活動は心を浄化する精神修行にもつながる

 タイの国王に認められた特別な位を持つタンマランカーロー師は、この活動に精神的な修行としての意義を見出している。

 物質的なゴミを片付けることは、脳の中にある不要な執着や汚れを取り除くことと同じだという考えだ。

 毎日一日の終わりに、僧侶たちは寺院の活動で出たゴミをリサイクルセンターへ運ぶ。

 自分たちが排出したものを自らの手で資源に戻す工程は、真の幸福を見つけるための道でもある。

 捨てられたゴミを法衣へと変え、自らの心をも清めていく師の挑戦は、汚染された川の再生とともに、現代を生きる私たちに本当の幸せとは何かを問いかけている。

続きを読む...

▼あわせて読みたい
自ら加わった犬と共に、僧侶たちがアメリカで3,700kmの平和の祈りの旅を続ける
猫が仏教の道に進んだようだ。僧侶の説法に耳を傾け、悟りを開いた猫
27年にわたり数万匹の野良犬や猫を救い続けてきた僧侶(中国)
チベットの小さな島にポツンと一軒寺。そこで暮らす1人の僧侶
これも修行か?タイの僧侶を誘惑しまくる猫たちの挙動

この記事のカテゴリ:動画 / 歴史・文化

引き用元サイト: カラパイア

記事元url: https://karapaia.com/archives/583422.html

 - karapaia , , , , , , , , , , ,

他の人のお気に入り

推し

新着記事

  1. うれしいニュース。ケニアで地域絶滅が疑われていた「マウンテンボンゴ」を再発見
  2. 100年前、眠りについたまま起きられなくなる謎の病が流行した。現在も正確な原因は不明
  3. 宇宙服の下はPRADA製。56年ぶりに月に降り立つ宇宙飛行士のインナーがおしゃれイズム
  4. 半年たっても逮捕できず。自動運転タクシーで逃走した窃盗犯の行方がわからない
  5. ちいっす!巨大コウモリが柵にぶら下がって犬を絶賛観察中
  6. ちいっす!巨大コウモリが柵にぶら下がって犬を絶賛観察中
  7. コアラ急増で大量餓死の危険性。不妊手術による管理策を検討(オーストラリア一部地域)
  8. 木星の軌道のすぐ外に惑星製造工場があった可能性
  9. インドがオタク大国に?ホワイトハッカーが日本のアニメ少女の姿でテレビに登場
  10. アメリカの中にある独立国家、スロージャマスタン共和国の面白い法律
  11. コヨーテの群れと行動を共にしていた行方不明の飼い犬が11か月ぶりに家族と再会
  12. よっしゃ、食べてOK!キバタンは仲間を観察して食べられるかどうかを学ぶ
  13. ミイラ「アイスマン」から生きた酵母が発見され、パンを焼くことに成功
  14. ナチスのエニグマ暗号を解き明かしたイギリスの暗号解読機器「ボンベ」の歴史
  15. 37歳の女性が12歳に成りすまし養女になろうとして逮捕される(ブラジル)
  16. 山道に暗黒の穴が!よく見たらカワウソの赤ちゃんだった
  17. マルハナバチは誰かに教わらなくても自分だけで問題を解決することができる
  18. サハラ砂漠で発見された隕石が、45億年前に砕け散った原始惑星の存在を示唆
  19. 高さ1kmへ。世界一高いビル建設が急ピッチで進行中(サウジアラビア)
  20. 悪魔とUFOを関連付けた発言でベテランのエクソシストが教会から解任される
  21. 高さ1kmへ。世界一高いビル建設が急ピッチで進行中(サウジアラビア)
  22. 悪魔とUFOを関連付けた発言でベテランのエクソシストが教会から解任される
  23. カラスの救助に協力したら、お礼の品々が次々と届き、犬の散歩にも一緒についてくるように
  24. 数十年姿を見せなかった30頭ものシャチがイギリス沖に結集し、人々が歓喜に沸く
  25. 一部の人にしか聞こえない謎の音「ザ・ハム」の正体は頭の中にあるかもしれない
  26. 2030年、AIが使う水は人類が1年に飲む量の1.6倍になると国連研究機関が予測
  27. 2026年のワールドカップではロボット犬が警備を担当
  28. 専属のメイクさんは猫!肉球でポンポンとキャットアイメイクのお手伝い
  29. デボン紀のイギリスに、体長1mの巨大サソリが存在した(4億1500万年前)
  30. 太陽系外惑星に磁場が存在する最も強い証拠が発見される
×