怖くて夢に出そう。科学者が4万1000年前に起きた地球の磁気逆転現象の音を再現(要音声)

全体:4月:2週:0日:0

今から4万1000年前、地球の地磁気が逆転し、地球の磁気バリア機能が大幅に低下し、大量の宇宙線が地球の大気圏に流れ込んだ。
「ラシャンプ地磁気エクスカーション」と呼ばれるこの現象は、フランスの中央高地の溶岩流に見られる磁気異常から発見された。
今回、欧州宇宙機関(ESA)の地磁気観測衛星「SWARM」が集めた地球磁気圏のデータをもとに、研究者らが初めて、この神秘的な現象の音声化に成功。
ミステリアスで、不穏さを感じさせるサウンドだ。
ラシャンプ地磁気エクスカーション
今から4万2200~4万1500年前、地球の地磁気極が突然移動し、45度もシフトしたことがあった。
このように地球の磁場の方向や強度が一時的に激変する現象を「地磁気エクスカーション」という。
その時期発生したとされる地磁気エクスカーションは、1960年代に史上初めて確認されたもので、磁気異常が発見されたフランスの地名にちなみ、ラシャンプ地磁気エクスカーションと呼ばれている。
このラシャンプ地磁気エクスカーションでは、地磁気が一気に弱体化し、現代の5%にまで低下したと推定されている。
地磁気は宇宙から降り注ぐ放射線を防ぐバリアとしての機能があるので、当時の生物に重大な影響を与えていたとしてもおかしくはない。

地磁気逆転現象時の音を再現
デンマーク工科大学とドイツ地球科学研究センターの科学者らは、このラシャンプ地磁気エクスカーションが発生した時の音を再現した。
ベースになっているのは、欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた3基の地磁気観測衛星「SWARM」が集めたデータである。
SWARMは、地球の核・マントル・地殻・海洋のほか、電離圏や磁気圏から発生する磁気的なシグナルを計測し、地磁気逆転現象や地球内部の運動などを理解するための貴重なデータを記録している。
科学者チームはそれを利用し、4万年前の磁力線をマッピングしたのち可視化。さらに木の軋みや石の転がりなど自然の音を混ぜ合わせ、ちょうど楽譜から音楽を奏でるように、データを音として表現した。
こうして出来上がった音声は、地球の内部で何かが崩壊し、変動しているかのような感覚を覚える(要音声)
データや情報を音に変換するソニフィケーション
このようにデータや情報を音に変換して、言語や視覚情報とは違ったやり方で理解を深めようという試みを「ソニフィケーション」という。
今回のソニフィケーション作品の初期バージョンは、コペンハーゲンの公共広場でライブ公演されたとのこと。
ライブで使用されたスピーカーは32基。各スピーカーで、地球史10万年の期間に各地で発生した地磁気の変化が表現されたそうだ。
科学者たちは今、SWARM衛星が集めた新しいデータと既存のデータを使用して、地磁気の生成プロセスの秘密を解き明かそうと挑んでいる。
References: ESA - The scary sound of Earth’s magnetic field
▼あわせて読みたい
・数年以内に太陽の磁場の逆転が起きる。地球はどんな影響を受けるのか?
・5億9000万年前の地球の磁場崩壊が生命の多様化を促進させた
・地球の磁場は少なくとも37億年前から存在していたことが判明
・約4万年前に発生した地球の劇的な磁極反転の証拠が発見される(国際研究)
・あなたは感じる?人によっては地球の磁場を感知できることが判明(米研究)
引き用元サイト: カラパイア
記事元url: https://karapaia.com/archives/459668.html
推し
新着記事
- カバも仲間の死を悲しむ。群れの長老の死を悼む映像が心を揺さぶる
- イカは腕を振って仲間とコミュニケーションをとっている可能性、しかも何パターンもある
- なんでわからんのにゃ?お座りを覚えない犬にお手本を示す2匹の猫
- 856回毒ヘビに咬まれることで抗体を獲得した男性、その血液が超解毒薬の開発につながる
- 雨粒を電気に変える新たな手法が開発される、シンプル装置で実現した高効率発電
- ファー!ゴルフ場に小型飛行機が緊急着陸するまさかのハプニング
- 水中の料理長!白いイソギンチャクをコック帽のように頭に乗せたカニが目撃される
- 野良牛が盗んだバイクで走り出すシュールな光景(オンリーインド)
- 絶滅の危機から復活なるか?養殖したウーパールーパーが野生下でも繁殖できることが判明
- 大きくたって猫は猫。ダンボール箱に吸い込まれるように入るボブキャット
- 恐竜絶滅後、頂点捕食者として君臨した巨大なワニの化石をカリブ海諸島で発見
- 宇宙で新鮮な魚が食べられる日も近い。月面養殖場に向けてスズキの受精卵が送られる
- なぜそこに?アメリカの空港滑走路に墓が埋め込まれている理由
- 防犯カメラより効果的かもしれない。インドの青果市場に設置された女性の写真
- 動物園で最年長のハリモグラ、56歳の誕生パーティーを特製のケーキで祝ってもらう
- チンパンジーは人間同様知識を共有し、文化を進化させている
- 愛情で買収?キャットショーの審査員にスリスリが止まらない、スフィンクス猫の猛アピール
- 世界が西洋色に染まる?AI文章支援ツールが文化の多様性を損なう可能性
- ベスタは惑星の“なりそこね”ではなかった? NASAが従来の定説を覆す発見
- 人間への逆襲か?北米最大のキツツキが次々と車の窓ガラスを破壊
- 元恋人の父親の骨壺を墓から盗み出して復縁を迫った男性
- 処分寸前だったところを保護されたハスキーが大変身!愛され上手のお風呂上手に
- インドネシアの自然の生息地で生きたシーラカンスを撮影することに成功
- 換毛期でっか?まかせなさい。馬の抜け毛を掻きだすビーグル犬
- シドニーの空に現れた不気味な雲、ハリポッターの闇の存在ディメンターを彷彿とさせる
- 洞窟で発見された1万6000年前の犬とオオカミの中間的存在の骨が物語る人間との関係
- 熱で電気を生むセメントを開発、建物が自家発電する時代がやってくるかもしれない
- 絶滅危惧種の鳥のことを知ってほしい!ダイシャクシギの被り物で約87kmを歩き続けた男性
- この家なら安全だ。オスの野良猫が運んできたのは赤ちゃん猫!自らお世話しはじめる
- 臆病なネズミほど問題解決能力に優れていることが判明、その理由は粘り強さにあった