怖くて夢に出そう。科学者が4万1000年前に起きた地球の磁気逆転現象の音を再現(要音声)
全体:2月:0週:0日:0
今から4万1000年前、地球の地磁気が逆転し、地球の磁気バリア機能が大幅に低下し、大量の宇宙線が地球の大気圏に流れ込んだ。
「ラシャンプ地磁気エクスカーション」と呼ばれるこの現象は、フランスの中央高地の溶岩流に見られる磁気異常から発見された。
今回、欧州宇宙機関(ESA)の地磁気観測衛星「SWARM」が集めた地球磁気圏のデータをもとに、研究者らが初めて、この神秘的な現象の音声化に成功。
ミステリアスで、不穏さを感じさせるサウンドだ。
ラシャンプ地磁気エクスカーション
今から4万2200~4万1500年前、地球の地磁気極が突然移動し、45度もシフトしたことがあった。
このように地球の磁場の方向や強度が一時的に激変する現象を「地磁気エクスカーション」という。
その時期発生したとされる地磁気エクスカーションは、1960年代に史上初めて確認されたもので、磁気異常が発見されたフランスの地名にちなみ、ラシャンプ地磁気エクスカーションと呼ばれている。
このラシャンプ地磁気エクスカーションでは、地磁気が一気に弱体化し、現代の5%にまで低下したと推定されている。
地磁気は宇宙から降り注ぐ放射線を防ぐバリアとしての機能があるので、当時の生物に重大な影響を与えていたとしてもおかしくはない。
地磁気逆転現象時の音を再現
デンマーク工科大学とドイツ地球科学研究センターの科学者らは、このラシャンプ地磁気エクスカーションが発生した時の音を再現した。
ベースになっているのは、欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた3基の地磁気観測衛星「SWARM」が集めたデータである。
SWARMは、地球の核・マントル・地殻・海洋のほか、電離圏や磁気圏から発生する磁気的なシグナルを計測し、地磁気逆転現象や地球内部の運動などを理解するための貴重なデータを記録している。
科学者チームはそれを利用し、4万年前の磁力線をマッピングしたのち可視化。さらに木の軋みや石の転がりなど自然の音を混ぜ合わせ、ちょうど楽譜から音楽を奏でるように、データを音として表現した。
こうして出来上がった音声は、地球の内部で何かが崩壊し、変動しているかのような感覚を覚える(要音声)
データや情報を音に変換するソニフィケーション
このようにデータや情報を音に変換して、言語や視覚情報とは違ったやり方で理解を深めようという試みを「ソニフィケーション」という。
今回のソニフィケーション作品の初期バージョンは、コペンハーゲンの公共広場でライブ公演されたとのこと。
ライブで使用されたスピーカーは32基。各スピーカーで、地球史10万年の期間に各地で発生した地磁気の変化が表現されたそうだ。
科学者たちは今、SWARM衛星が集めた新しいデータと既存のデータを使用して、地磁気の生成プロセスの秘密を解き明かそうと挑んでいる。
References: ESA - The scary sound of Earth’s magnetic field
▼あわせて読みたい
・数年以内に太陽の磁場の逆転が起きる。地球はどんな影響を受けるのか?
・5億9000万年前の地球の磁場崩壊が生命の多様化を促進させた
・地球の磁場は少なくとも37億年前から存在していたことが判明
・約4万年前に発生した地球の劇的な磁極反転の証拠が発見される(国際研究)
・あなたは感じる?人によっては地球の磁場を感知できることが判明(米研究)
引き用元サイト: カラパイア
記事元url: https://karapaia.com/archives/459668.html
推し
新着記事
- なんてったって猫だもの。アイドルの握手会さながらに牛たちと順番にスキンシップ
- もし人類が絶滅したら、地球上の支配者となる生物は何か?生物学者が予測
- 大マゼラン雲にある赤色極超巨星の詳細な画像の撮影に成功
- ついにAIキリストが誕生。告解を聞き信者と対話する、スイスの教会で始まった新たな試み
- どうしてこうなった?天井を突き破って父親が落ちてくるハプニング
- 尊すぎる。嵐の中、カエルを守るために家に入ろうとしないゴールデンレトリバー
- 高齢者の認知能力は子供時代の認知能力と関連性があることが長期研究で明らかに
- 前世ニャに?膝立ちで怪しい動きをしながら飼い主に抱っこをねだる猫
- ソロモン王が悪魔を成敗する様子を描いた1600年前のお守りがトルコで発見される
- かみのけ座銀河団で溶けあうように近づいていく2つの銀河を発見
- 全長55m!世界一長い自転車は実際に走れるし、ギネス記録も更新
- 「世界一背の高い女性」と「世界一背の低い女性」が女子会を楽しむ、ギネス世界記録の日を記念
- 全身真っ黒のレアなペンギンがサウスジョージア島で発見される
- 単細胞生物の遺伝子を利用しマウスを誕生させることに成功
- 床を吸うなら私を吸いなはれ。掃除機が好きすぎる犬のせいで床がきれいにならない
- 3000年前の「ビリェーナの財宝」には宇宙由来の隕石鉄が含まれていた
- NASAの1970年代の火星探査機が誤って火星の生命体を消滅させた可能性を科学者が示唆
- NASAの1970年代の火星探査機が誤って火星の生命体を消滅させた可能性を科学者が示唆
- 侵入してきたAIロボットが、展示されていたロボット12台を引き連れ脱走をはかる珍事
- 侵入してきたAIロボットが、展示されていたロボット12台を引き連れ脱走をはかる珍事
- カタツムリの食事風景を早回しで見ると、もぐもぐかわいいクリーチャー感!
- 飼い主に再会できて喜びのダンスを踊る、何者かに盗まれたオウム
- 飼い主に再会できて喜びのダンスを踊る、何者かに盗まれたオウム
- 飼い主に再会できて喜びのダンスを踊る、何者かに盗まれたオウム
- 剣のような尾を持つこれまで未知の翼竜を発見、巨大化する過程も明らかに
- 剣のような尾を持つ未知の翼竜を発見、巨大化する過程も明らかに
- ペリカンとツーショット写真を撮ろうとした男性に訪れた悲劇はこの後すぐ!
- 鶏が先か、卵が先か?この哲学的な問題を単細胞生物の進化で探ってみた
- 幽霊のように白かった。アルバニア沖で世界初となるオロシザメの白変種を捕獲
- 動かないマネキンの代わりに商品を着た人間がルームランナーで歩く中国の斬新アパレル展示スタイル