
フィリピンでは、パソコンとインターネットを使って、自宅から海外の企業の仕事を引き受ける人たちがいます。この記事では、そうした在宅ワークの中でも注目されている「バーチャルアシスタント(VA)」という働き方について、さまざまな見方を、確認できた情報とあわせて紹介します。あわせて、世界の企業がVAや事務・サポート業務を委託する国のランキングも整理してみました。
VAとはどんな仕事か
VAは、ひと言でいうと、オンラインで依頼主の事務や裏方の作業をまとめて引き受ける、秘書のような仕事だと表されることがあります。日本の「オンライン秘書」に近いものの、フィリピンのVAは、世界中の企業を相手にしている点が大きく違うとも言われています。
任される作業として挙げられるのは、メールの整理や返信の代行、予定の調整、出張の航空券やホテルの手配といった事務です。ネットでの市場調査やデータ入力、デザインツールのCanvaなどを使ったInstagramやFacebookへの投稿づくり、請求書の発行や会計ソフトを使った領収書の整理まで、幅広い作業を受け持つことがあるという話もあります。
自宅から海外の企業を支える働き方
フィリピンでは、自宅からパソコンを使って、主にアメリカ、オーストラリア、イギリスなどの企業の仕事を請け負う働き方が定着している、という見方があります。現地の求人サイトの一つ「OnlineJobs.ph」には、とても多くの人が登録していて、国全体で見ても、在宅でオンラインの仕事をする人はかなりの数にのぼるとされることがあります。
地元のオフィスで働くよりも、海外の企業から直接仕事を受けた方が収入が良くなりやすいことも、在宅ワークが広がる理由の一つとして挙げられています。
確認できていること:OnlineJobs.phの公式サイトでは、500万件以上のフィリピン人のプロフィールを検索できると案内しています。フィリピン科学技術省(DOST)は、2015年末までに、推計150万人のフィリピン人がインターネットを通じて仕事を得ていたとしています。
英語とコールセンター産業という土台
フィリピンでこうした働き方が盛んな理由として、まず挙げられることが多いのが英語力です。英語が公用語のため、欧米の企業と直接やり取りしやすいからだ、と語られています。
BPO(業務の外部委託)の文化が根づいていることにも、よく触れられています。もともとコールセンターの産業が盛んで、海外企業の裏方の業務をこなす下地が、社会全体に整っているという話です。
確認できていること:フィリピン憲法では、フィリピノ語と並んで、英語も公用語と定められています(英語については「法律で別に定めるまで」とされています)。フィリピン・スター紙によると、業界団体のフィリピンIT・ビジネスプロセス協会(IBPAP)は、2025年のIT-BPM産業(ITやビジネスプロセスの受託を担う産業)の輸出収入が400億ドルを超え、働く人は190万人になったと発表しています。
人数の多い仕事と、専門に特化した仕事
ひと口にVAといっても、担当する分野によって、「やっている人の多さ」と「需要や単価の高さ」に違いがあるとも言われています。
人数が多いとされるのは、未経験からでも始めやすい一般事務のVAです。ふだんからSNSに親しんでいる若い世代を中心に、SNS運用を受け持つVAも増えているという話があります。
一方で、需要が高く、単価も高いとされるのが、専門に特化したVAです。ShopifyやAmazonでの商品登録や在庫管理を担うネットショップの運用、アメリカやオーストラリアの不動産業者の物件データの管理や見込み客への対応、LinkedInなどで営業先を探してリストを作る営業支援、QuickBooksやXeroといった会計ソフトを使う経理などが、その例として挙げられています。
カスタマーサポートなど、VA以外の在宅の仕事
VAに次いで人気があり、求人も多いとされるのが、カスタマーサポートの仕事です。中でも、電話に出なくてよい「ノンボイス」と呼ばれる、メールやチャットでの対応は、在宅で働く人に人気が高いと言われています。
親身な接客の姿勢が、海外の企業から評価されているという見方もあります。このほか、ITやプログラミング、動画編集、データ入力、文字起こしなど、幅広い仕事が自宅で行われているという話も出てきます。
VA・BPOの委託先として選ばれる国 TOP10
VAや業務の委託先としては、フィリピンのほかにも、いくつかの国の名前が挙がります。ここでは、「リモートワーカー全般」ではなく、世界中の企業がVAや事務・サポート業務を委託する国という視点で、市場の規模や人気度をもとに整理した順位を紹介します。
※各国のBPO市場の規模、大手の求人・雇用サービスでの採用の傾向、業界アナリストによる比較などをもとに、総合的に整理したひとつの見方です。公的な統計による順位ではありません。
上位国のポイントと使い分け
事務・アシスタントなら、やはりフィリピン
秘書やカスタマーサポート、事務全般の分野では、人数の多さや英語の分かりやすさ、ホスピタリティの高さから、フィリピンが選ばれることが多い、という声があります。
ITやデータ処理に強いインド
一方で、Excelの複雑なマクロづくりやITシステムの運用、プログラミングとセットになった事務作業など、システム寄りの仕事では、インドが強い存在感を持つとされています。
アメリカ企業と同じ時間帯で働けるメキシコ・コロンビア
フィリピンやインドはアメリカとの時差が大きく、昼と夜が逆になりやすいという弱点があります。そのため、同じ時間帯でリアルタイムにやり取りしたい企業が、メキシコやコロンビアといった中南米の国に目を向ける動きもある、という話があります。
AIの時代に変わるVAの役割
ChatGPTやClaudeのようなAIが登場した今も、VAの仕事がなくなるわけではなく、求められ方が「作業をする人」から「AIを使いこなす人」へと変わってきている、という見方があります。
AIに指示を出し、出てきた結果を確かめて直しながら仕事を回す役割や、AIがもっともらしい誤り(ハルシネーション)を出していないかを、最後に確かめる役割が、人に求められるという話です。苦情への対応や取引先への気配りのように、共感が必要なやり取りは人ならではの分野だ、とも語られています。
複雑なAIの仕組みを自社で作って保つよりも、AIを使いこなすVAに任せた方が、手頃で確実だと考える企業も少なくない、という指摘もあります。
確認できていること:BusinessWorldの2026年7月の報道によると、IBPAPは、AIの急速な普及や、委託する側の企業の行動の変化、世界的な競争の激化を理由に、2028年の見通しを見直しました。2028年の働き手の数は、当初の250万人から、185万〜214万人の幅に引き下げられています。
おわりに
パソコンとインターネットがあれば、国をこえて海外の企業を支えられる働き方は、フィリピンではすでに身近なものになっているようです。委託先の国ランキングを見ても、フィリピンを先頭に、インドや中南米、アフリカ、ヨーロッパの国々がそれぞれの強みで競い合っています。AIの広がりとともに求められる役割は変わりつつありますが、これからの働き方を考えるうえでも、気になる動きと言えそうです。
僕のひとりごと
正直、フィリピンってこんなに人気だったなんて、全然知らんかった!
フィリピンと聞くと、青い海に南国のヤシの木、きれいなビーチでのんびり……そんなイメージしかなかった僕。
ところが、調べてみたらビックリ!
なんと今、フィリピンでは「バーチャルアシスタント(VA)」という仕事が注目されているらしい!
パソコンとインターネットがあれば、会社に出勤しなくても、世界中の企業の仕事を自宅でサポートできるんだとか。
えっ? 自宅で仕事して、海外の会社から依頼を受けるの?
昔だったら、海外で働くなんて飛行機に乗って現地に行くくらいしか思いつかなかった僕。ところが今は、パソコンをカタカタやっているだけで、世界とつながる時代になったわけだ!
いやいや、時代の進化が速すぎるだろ!
しかもランキングを見たら、フィリピンが堂々の1位。インドやメキシコ、さらにはケニアやアルゼンチンまで名前が並んでいて、世界中で「在宅の仕事の取り合い」が起きているんだなぁと、ちょっと圧倒されてしまった。
しかも、AIがどんどん進化している今、こうした仕事も変化しているらしい。
僕なんて、AIにブログ記事を書いてもらうだけでも「おおっ、すごい!」と感動しているレベルなのに、世界ではそのAIを使いこなして仕事をしている人たちがいるんだから、もうビックリ仰天!
もしかして、僕が知らないだけで、世界にはまだまだ稼ぐチャンスが転がっているのかもしれない。
ただし、知ったからといって、すぐに稼げるほど甘くないのも現実。
まずは英語の壁が立ちはだかる。僕の場合、仕事を始める前に英語の勉強で力尽きる可能性もあるぞ!
いや~、知らない世界を知るって面白い!
参考情報


