今度は映画です。『戦国自衛隊1549』も、僕の大好きな一本
少し前に、人生で一番繰り返し見たドラマとして『JIN -仁-』の話を書きました。
あの記事を書きながら、ふと思ったのです。そういえば僕、タイムスリップものにめっぽう弱いな、と(笑)
ドラマでは『JIN -仁-』。そして映画で「これも大好きなんだよなあ」と真っ先に思い浮かぶのが、2005年公開の映画『戦国自衛隊1549』です。
正直に先に言っておくと、この映画、世間の評価は真っ二つに分かれています。「面白い」という人もいれば、「期待はずれだった」という人もいる。レビューサイトを見ると、なかなか手厳しい意見も並んでいます。
それでも僕は、この映画が大好きです。何度も見返していますし、これからも見ると思います。
この記事では、ざっくりしたあらすじとキャスト、興行収入などの数字と一緒に、なぜ賛否が分かれるのか、そしてなぜそれでも僕が好きなのかを、思い切り長く語っていきます。
そもそも『戦国自衛隊1549』ってどんな映画? ざっくりあらすじ
※ここから先は物語の大まかな流れに触れます。核心の結末は避けますが、軽いネタバレはあります。
2003年、陸上自衛隊の駐屯地で、秘密裏に「人工磁場発生器」の実験が行われていました。ところが実験中に事故が発生。的場毅一佐(鹿賀丈史)率いる精鋭部隊が、460年前の戦国時代へタイムスリップしてしまいます。
それから2年。過去の世界で歴史への干渉が起きたせいか、現代の日本各地に、周りのものを飲み込む謎の空間「ホール」が出現し、現代そのものが崩れ始めていました。
歴史を正し、仲間を救い出すため、結成されたのが救出部隊「ロメオ隊」。隊を率いるのは、的場の元部下でありながら、今は自衛隊を辞めて居酒屋を営む鹿島勇祐(江口洋介)と、研究本部所属の神崎怜二尉(鈴木京香)です。案内役として、戦国時代から現代へ飛ばされてきた武士・飯沼七兵衛(北村一輝)も同行します。
現地で活動できる制限時間は74時間26分。それを過ぎたら、二度と現代には戻れません。
ところが、いざ1549年に着いてみると、そこは織田信長が強大な軍事力で支配する世界になっていました。しかも、その信長の正体は――タイムスリップした的場本人だったのです。
救出するはずの相手が、現代兵器を手に戦国時代の支配者になっていた。鹿島たちは、歴史を取り戻すため、かつての上官と戦うことになります。
原案は、1979年の映画『戦国自衛隊』の原作でもある半村良さん。原作は『亡国のイージス』『ローレライ』の福井晴敏さん、監督は平成ゴジラシリーズの手塚昌明さんです。
数字で見る『戦国自衛隊1549』
このサイトらしく、数字の話もしておきましょう。
『戦国自衛隊1549』は2005年6月11日に公開され、公開週の興行収入ランキングは1位。最終的な興行収入は17.1億円でした。
その後、海外版として再編集された『Samurai Commando Mission 1549』が、アメリカなど31か国で上映されています。「自衛隊が戦国時代で戦う」という設定は、海外でも目を引いたのでしょうね。
そして、元になった1979年の『戦国自衛隊』。主演は千葉真一さんで、配給収入は13億5,000万円、1980年の邦画では5位という大ヒット作でした。
ただし大事なのはここです。『1549』は「リメイク」と言われることが多いのですが、物語も登場人物も、1979年版とはつながっていません。同じ「自衛隊が戦国時代へ」という発想を使った、別の作品です。
この「リメイクだと思って見に行ったら別物だった」という行き違いが、評価の分かれ目の一つになったのではないかと、僕は思っています。
それでも僕が大好きな理由
理由1:現代兵器と戦国時代がぶつかる「絵」の力
まず何より、絵が強い。
ヘリコプターが戦国の空を飛び、迷彩服の自衛隊員が、甲冑姿の騎馬武者と向かい合う。この「絶対にありえない並び」が画面いっぱいに広がる瞬間、僕はいつもワクワクしてしまいます。
本作は自衛隊の全面協力を得て撮影されていて、車両もヘリも装備も本物です。1979年版は自衛隊の協力が得られず、戦車はブルドーザーを改造して作った、という有名な苦労話があります。それと比べると、本作の軍事シーンの本物感は段違いです。
理屈じゃありません。「現代の軍隊が戦国時代にいたら」という、誰もが一度は考える空想を、本物の装備で映像にしてしまった。この一点だけでも、僕にとっては見る価値のある映画です。
理由2:鹿賀丈史の的場=ニセ信長が、とにかく怖い
この映画の悪役は、的場毅です。
戦国時代に飛ばされ、本物の織田信長と入れ替わり、現代兵器の力で時代そのものを支配していく。やっていることは滅茶苦茶なのに、鹿賀丈史さんの演技が静かで、理知的で、だからこそ底知れなく怖いのです。
「軟弱な現代日本を、この時代から作り変える」という的場の理屈は、間違っていると頭では分かる。でも、どこか一分の説得力があるように聞こえてしまう。この「言い負かされそうになる感覚」が、単なる勧善懲悪では終わらない面白さになっています。
主人公の鹿島は、その的場の元部下です。尊敬していた上官と戦わなければならない。師弟対決という構図も、物語に熱さを足してくれています。
理由3:74時間26分という制限時間のハラハラ
タイムスリップものに「制限時間」があると、物語は一気に締まります。
ロメオ隊が1549年にいられるのは74時間26分だけ。それを過ぎれば現代に戻れない。しかも相手は、現代兵器の使い方を熟知した元自衛官の軍団です。
弾にも燃料にも限りがある。時間も限られている。その中で、的場を止めて、歴史を戻して、全員で帰らなければならない。
「あと何時間」という圧が常にかかっているので、2時間を超える映画なのに、僕は毎回あっという間に感じます。結末を知っていて見ても、このハラハラは薄れませんでした。
理由4:濃姫は綾瀬はるか。『JIN』との不思議な縁
これは僕の個人的な楽しみ方です。
本作で濃姫を演じているのは、若き日の綾瀬はるかさん。そう、『JIN -仁-』で橘咲を演じた、あの綾瀬はるかさんです。
『JIN』では幕末の江戸で仁を支える女性。本作では戦国時代の姫。どちらもタイムスリップもの、どちらも歴史の真ん中にいる女性です。
僕の大好きな2作品に、同じ女優さんが、同じ「時代もの」の要の役で出ている。この偶然に気づいたとき、なんだかうれしくなってしまいました(笑)『JIN』が好きな人には、この映画も一度見てみてほしい理由の一つです。
主要キャスト
| 役名 | キャスト | どんな人物? |
|---|---|---|
| 鹿島勇祐 | 江口洋介 | 的場の元部下。元自衛隊員で今は居酒屋を営む。歴史を正すためロメオ隊に参加する主人公。 |
| 神崎怜 | 鈴木京香 | 自衛隊の研究本部所属の二尉。事故に関わった責任を背負い、救出作戦に同行する。 |
| 的場毅 | 鹿賀丈史 | 事故で戦国時代に飛ばされた一佐。織田信長に成り代わり、現代兵器で時代を支配する。 |
| 飯沼七兵衛 | 北村一輝 | 戦国時代から現代に飛ばされてきた武士。ロメオ隊の案内役として1549年へ同行する。 |
| 濃姫 | 綾瀬はるか | 斎藤道三の娘で信長の妻。変わり果てた信長(的場)に向き合う姫。 |
| 斎藤道三 | 伊武雅刀 | 美濃の戦国大名、濃姫の父。時代の異変をいち早く察する。 |
公開日
2005年6月11日(角川映画/配給:東宝) 監督:手塚昌明 原案:半村良 原作:福井晴敏

僕のひとりごと:賛否が分かれるのは、正直、分かる
ここからは、少し正直な話をします。
手厳しい意見にも、うなずける部分はある
この映画への批判でよく見かけるのは、「人間ドラマが薄い」「1979年版の破天荒な面白さがない」といった声です。
正直、僕も全部は否定しません。1979年版の千葉真一さんの突き抜けた感じを知っている人が「リメイク」を期待して見たら、肩透かしだったろうな、とは思います。
でも、それはこの映画の出来の問題というより、1979年版とは別の映画なのに、同じ看板で売られてしまった不幸ではないかと、僕は思うのです。
それでも僕が好きなのは、「男の空想」を本気で撮っているから
「もし現代の軍隊が戦国時代に行ったらどうなるか」。
男なら一度は考える、他愛ない空想です。問題は、それを映画にするとなると、普通はどこかで手を抜くか、笑いに逃げるかしてしまう。ところがこの映画は、自衛隊の全面協力まで得て、本気で、本物の装備で撮ってしまった。
その本気さが、僕にはたまらないのです。多少の粗さや、ドラマの薄さを指摘されても、「でも、ヘリと騎馬武者の対峙は最高だったよね」で、僕の中では全部ゆるせてしまいます(笑)
もし自分がロメオ隊にいたら
『JIN』の記事でも書きましたが、タイムスリップものを見ると、つい考えてしまいます。自分がその立場だったら、と。
ロメオ隊の一員として1549年に降り立った僕。結論は、やっぱり早かったです。たぶん、最初の10分で足手まといになります。
訓練を受けた自衛隊員でも苦戦する世界です。一般人の僕が行ったら、歴史を正すどころか、まず自分の命を守るので精一杯でしょう。
だからこそ、スクリーンの中の彼らが眩しく見える。74時間26分という限られた時間の中で、帰る場所を守るために戦う。その姿に、僕は何度見ても胸が熱くなるのです。
まとめ:評価は分かれても、僕の中では特別な一本
『戦国自衛隊1549』は、興行的には公開週1位、興行収入17.1億円という立派な数字を残しながら、評価の面では賛否がはっきり分かれた映画でした。
でも、僕にとっての映画の価値は、レビューの星の数だけでは決まりません。「また見たい」と思えるかどうか。この映画は、僕にとって間違いなく「また見たい」一本です。
『JIN -仁-』といい、この映画といい、僕はどうやら「現代の人間が昔の時代に放り込まれる話」に、とことん弱いらしい(笑)
みなさんには、世間の評価と自分の好きが食い違う、そんな映画はありますか。僕にとっては、それが『戦国自衛隊1549』です。
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